千歳船橋駅徒歩5分。世田谷区桜丘でヴァイオリンを習うなら。

武田ゆりヴァイオリン教室

ヴァイオリンの弓の張り方

   

「ヴァイオリンの弓はどのくらい張ったら良いですか?」という質問を受けることがあります。

基本の弓の張り具合

弓の手元のネジを回していくと、弓の毛と弓の竿(木の部分)木がほぼ平行になります。これは張りすぎです。

弓はある程度弾力をつくるために逆反りをしていて、この反りがとても重要です。この弾力をつくるために、弓の申し訳真ん中あたりでは小指が入るくらいの隙間までにとどめておきましょう。

IMG_4777

さらに弓は個体差があり、弓によって張りの強さが変わります。目でよく見て、そして弾いた感覚で張り具合を覚えましょう。

曲によって変える「弓の張り具合

また、曲によっても変えることがあります。

例えばこれは特殊な技ですが、ハイポジションの多い曲を弾くときには、スクリュー(ネジ)を1~2回多く回して弓の毛を強く張ることがあります。ただし、回し過ぎると弓を壊してしまうおそれがありますから、十分注意して下さい。

アメリカの音楽院教授のティール先生が「有名な作曲家&音楽家のフリッツ・クライスラーは、弓の毛を強めに張って演奏していたらしい」という話をしてくれたことがあります。なるほど、演奏しているクライスラーの写真を見ると、そのことがわかります。IMG_4769

おまけの弓の話

それから、弓の毛を手で触るのはやめましょう。触っていなくても、松ヤニが体温に反応して溶けてしまいます。溶けた松ヤニにホコリや汚れが付着すると黒く変色してしまって音が出にくくなります。

弓は主にペルナンブーコという木でできていますが、染料や家具の材料として乱伐が進み、2007年に 絶滅危機種になってしまいました。つまり、良質な弓の材料はどんどん減っているのです。

演奏する際には毛を張り、力強い木の弾力を感じるのでそんなに弱くは感じませんが、実は簡単に折れてしまいます。

実際に家具に引っかけてポキっと折ってしまう、ライトにぶつけて弓先が割れた、譜面台に乗せていて横を通った時に引っかかって落として折れた、など多くの事故があります。弓を強く張るのが好きでそうしていたら、ある日突然折れてしまった、という話も聞いたことがあります。弓は神経質に扱うくらいでちょうど良いでしょう。

 

 

 - 未分類

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  関連記事

サマーコンサートのリハーサル 3

今週のレッスンは、最後にリハーサルです。 出演予定の生徒さんたちは、皆さんそれぞ …

no image
「サマーコンサート」に向けて 8

今年の「サマーコンサート」では「ヴィヴァルディ作曲 コンチェルト イ短調」を演奏 …

サマーコンサートに向けて 5

今回初めてコンサートに参加することにしたH君。 レッスン室に入って来て、ヴァイオ …

自分のペースでヴァイオリンを

Yちゃんは「ウェーバー作曲 狩人の合唱」に取り組んでいます。 自分のペースで「今 …

夏休みのヴァイオリンレッスンでは

プライベートレッスン中心のヴァイオリン教室では、「お教室仲間」は限られた方にしか …

ヴァイオリンの左指の押さえ方

「明けましておめでとうございます!」 と言ったと思ったら、お母様の後ろに隠れた( …

ヴァイオリンの譜読み

楽譜に「ドレミ」などの音名さえ書いてあればスイスイとヴァイオリンを弾けるT君。 …

スプリングコンサートに向けて 8

今回のレッスンは ちょっと遅めの時間だったので、少し眠そうなO君でした。 でも「 …

僕のヴァイオリンは?

「お兄ちゃんがヴァイオリンを弾いていると『ぼくのヴァイオリンはどこなの?』と言う …

ヴァイオリンの弓の準備

弓の手元のネジを巻いて「弓の真ん中あたりで、小指が入るくらいの すき間」に張りま …