ヴァイオリンを構える前の準備
演奏する時の基本姿勢は、人それぞれに個体差がありますので
「どうならなければならないか」という風に考える(読む)のではなく
「どうなってはいけないのか」と考え(読んで)
「どうしてそうなったらいけないのか」を考えるとうまくいきます。
立ち方
両足の幅と開き方
演奏中の上半身の激しい運動に柔軟に対応できる形(大木のように立つ)が理想的です。
足を開き過ぎると柔軟性がなくなり、よくありません。
足を揃えて真っすぐに立ち、足の指先を60度位(時計の2時のように)に開きます。
右足を少し軽くして、後ろに(肩幅ぐらいの距離)に引きます。
重心
地球の重心を感じるように立ちます。
重心は、左右でいえば真ん中(あるいはやや左寄り…弓の運動がラクになります)、前後でいえばわずかに前の方です。
かかとにどっしり重心をかけてしまうと、安定はよいようですが、身体が後ろに引かれて消極的な演奏になってしまいます。
余談ですが、ステージで演奏する場合は「かかとが少し高い靴」を指定なさる先生も多くいらっしゃいます。重心が前にいくことにより、音が締まり、音が会場に行きわたりやすくなるようです。
膝の柔軟性
膝にもポイントがあります。
緊張すると膝が突っ張ってしまうこともありますが、これでは下半身が固定されてしまいます。
膝を曲げてしまうと安定性に欠けます。
ピーンと伸ばすのではなく、弾力性を持たせておきましょう。
下半身の役割
ヴァイオリニストたちの動きを見ると、演奏中は上半身だけが動いているという方は、殆どいません。
ヴァイオリンは、座っても弾くことができるのを見ても分かるように、上半身に演奏運動が集中しています。
座って演奏することが殆ど、または初めから座ってしか弾いたことのない人に、立って弾いてみるように言ってみると、演奏がぎこちなくなってしまったり、上半身の動きに下半身が耐えられなくなり、バランスを崩して倒れそうになってしまうことがあります。
激しくかつ細やかな上半身の動きに対応できる、柔軟性のある下半身があってこそ良い演奏ができるのです。下半身の役割は結構大きいのです。
上体の基本姿勢
上体の基本姿勢は「両腕の運動能力を最大限に引き出す形」です。
長時間練習しても疲れない、部分的な痛みも出ないような自然な姿勢を基本にします。
注意するポイントは次の通りです。
*反り返らない。胸を張り過ぎない。⇒呼吸が浅くなる。背中に負担がかかる。
*前かがみにならない。猫背にならない。⇒息を深く吸えない。肩や背中の筋肉が緊張する。
*お腹を突き出さない。腰を落とさない。⇒腰に負担がかかる。その時はラクなような気がするが、長時間その姿勢でいると腰痛の原因になる。
左肩の状態は?
小柄な方、腕が短めだったりすると、どうしてもヴァイオリンが正面になり、それと同時に左肩もかなり前に出てしまいます。これはある程度仕方のないことです。
ですが、身体の構造を考えると左肩が前に出過ぎるのは望ましいことではありません。
背中の筋肉が常に緊張した状態になること、奏者の身体の前の空間が狭くなってしまう可能性があるからです。
意識的に左肩を前に出すのではなく、他の要素を絡めて自然な形を探した結果がそうなったのならば良しとする、ということでしょう。
これらの基本姿勢は、人それぞれの個体差でも違いますし、練習していくうちに同じ人でも変わっていく場合もあります。
鏡などで、いつでも「〇〇になっていないか?」をチェックする習慣がついていれば、かなり上達のスピードが期待できます。
当教室で、講師が最近気をつけているのは「立ち方」。
いつの間にか基本姿勢から、「かかと と、つま先が並行になっている」「片足が曲がっている」状態に変わっている生徒さんが…!
基本姿勢でヴァイオリンを弾くとウエストが締まります!←女性には嬉しいシェイプアップ効果
下半身が安定するとヴァイオリンを弾く両腕が自由になります。スケールの大きな音が出やすいんです。
そしてこれはおまけですが、この立ち方は、電車内でも揺れに強く、覚えておくと便利です☺
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